Gmail のエンコードの初期設定は Unicode
Gmail の送信メールのエンコードの初期設定が Unicode(UTF-8) を使うようになっていることに気がつきました。
日本語で書くメールの文字コードは ISO-2022-JP (いわゆる JISコード) が標準だと私はずっと思っていましたので、これはちょっとした驚きです。
私がインターネットを使い始めた1990年代のメール使用環境(メールサーバやメールソフト)においては
日本語のメールは ISO-2022-JP でエンコードしないと正しく送ることができない
という制約がありましたが、その頃から環境がだんだん変わってきたということなんですね。
今でもどこかで古いメールサーバが運用されていたり、古いメールソフトや携帯電話などでメールを読んでいる人がいる可能性があるわけですから、ほとんどのメールソフトは安全策をとってまだ ISO-2022-JP が初期設定になっていると思います。
先進的(?)な Gmail は Unicode を標準にしているんですね。
この機会に、久しぶりにメールのエンコードについて調べてみました。
Unicode を使用するメリット
メールを送信するときに Unicode を使用するメリットは以下の通りです。
- 多言語対応
メール本文に日本語以外にもさまざまな言語を混在させることができます。
これに対し、ISO-2022-JP は日本語と英字だけしか書けません。 - 「﨑」や「髙」を使うことができる
ISO-2022-JP を使うと、山﨑さんの「﨑」や髙野さんの「髙」をメールで送ることができません。そのため、「崎」や「高」で代用するのが一般的な対処法なのですが、山﨑さん、髙野さんに初めてメールを送るときには気を使いますし、なぜこの字を使ったか・・・というまわりくどいメールを書かないといけないことがあります。
Unicode を使えば、こういう問題は起きません。
Unicode を使用するデメリット
Unicode を使用するデメリットもあります。
- メールサーバによっては文字化けする
古いメールサーバを経由してメールが送られるときに Unicode が正しく処理できずに文字化けしてしまう可能性があります。 - 相手によっては文字化けする
受信する相手が古いメールソフトや携帯電話を使っていると文字化けしてしまう可能性があります。
現在、上記の問題が起きる可能性はかなり低いと思われます。だから、Gmail は Unicode を初期設定としているのでしょう。
ISO-2022-JP でも「﨑」や「髙」を送ることができる?
実は、Unicode を使わなくても、ISO-2022-JP で「﨑」や「髙」をメールで正常に送ることができるケースがけっこうあります。
上記の内容と矛盾しているようですが、マイクロソフトが独自拡張した ISO-2022-JP には「﨑」や「髙」などの文字が含まれていて、この独自拡張版の ISO-2022-JP を使用する Windows アプリケーションどうしであれば「﨑」や「髙」をメール本文で問題なく使用できます。
このようなアプリケーションとしては、Outlook や Outlook Express がありますし、マイクロソフト以外の Windows アプリケーションにもこういう仕様のものがあります。
しかし、そのようなアプリケーション以外でメールを受信すると文字化けしてしまいます。
例えば、私が使っているガラケー(docomo F-01E)で「山﨑 様、・・・」で始まるメールを受け取るとこうなります。
Unicode を使えば、このガラケーでも文字化けしません。
調べているうちに、これからは Unicode を使うのがよいのではないか・・・という気がしてきました。
ということで、私は今後山﨑さんや髙野さんにメールを送るときには Unicode を使って送信することにします。
【備考】Becky! Internet Mail での「﨑」や「髙」の扱い
私が17年以上使用している Becky! Internet Mail (以下、Becky!) というメールアソフトでは、メールに「﨑」や「髙」などを使用したときに非常に好ましい動作をしてくれます。
本来の ISO-2022-JP で使用できない文字を入力すると、文字色を変えて注意を促してくれます。
そして、送信しようとすると以下のメッセージを表示します。
上記のメッセージの通り、Becky! は ISO-2022-JP を使用する限りは「﨑」と「髙」の使用を許可しません。
Becky! でも Unicode を使えばそれらの文字を含むメールを送信することができます。