Googleマップ であっちこっち見ていたら、私が東京で一人暮らしを始めたとき(30年以上前)に住んでいた下宿がまだありました。

鴨志田荘 という当時と同じ名前でまだやっているのを見て、その頃の忘れられない事件を懐かしく思い出しましたので、書いてみます。

学生の頃、私が初めてやったアルバイトはラコステのトレーナーなどの衣料品がたくさんある倉庫での仕事でした。

伝票を見て、倉庫内の棚からその商品をピックアップしてくるという仕事でした。

いま思えばすごく安い時給(斡旋業者にピンはねされて手取りが350円/時間)でしたが、その会社から最初の給料として30,000円くらいもらえました。

その初めての給料でちょっと贅沢してみたくなって、前から気になっていたお店に入ってみることにしました。

そのお店の暖簾には「焼肉」「天ぷら」とか書かれていて、

なんか高そうなお店だなぁ・・・

とか思いながらいつもお店の前を通っていました。たしか、そのお店の名前は「四季」だったと思います。

新宿区喜久井町夏目坂を上った少し先にあるお店でした。そして、そのもう少し先に当時私が住んでいた鴨志田荘がありました(現在もあります)。

ふだんなかなか食べられない焼肉と天ぷらで贅沢にお昼ご飯を食べようと

  • 大盛りライス
  • 豚ロース 1人前
  • 生海老天 1人前
  • 中華スープ

を注文しました。

メニューには 海老天生海老天 があったので、ちょっとだけ高かったのですが、ふんぱつして生海老天を注文しました。

もう昼飯時を過ぎていて、店の中には私以外にあまりお客さんがいなかったこともあり、私が注文した料理はけっこう早く運ばれてきました。

でも、天ぷらだけが予想に反して、中学校のときの給食で使ったスープ容器のようなものに入っていました。

おっ、高級な店になると自分で天ぷらを揚げるのか・・・

と、なんとなくリッチな気分に浸りつつ、店の隅の天井近くにあるテレビで始まっていた時代劇を見ながら、天ぷら鍋が出てくるのを待っていました。

今思えば、この位置にテレビがある店は高級店ではないんですけどね。

でも、なかなか天ぷら鍋が出てこなかったんです。

目の前の鉄板がすごく熱くなってきたので、天ぷら鍋の到着を待たずに、豚ロース1人前を焼き始めてしまいました。

お昼過ぎでお腹が空いていたこともあり、あまり時間がかからずに

  • 大盛りライス
  • 豚ロース 1人前
  • 中華スープ

はなくなってしまい、そして、スープ容器に入った生海老の天ぷらだけが残ったわけです。

なんか様子が変だ・・・

とは思ったのですが、なにもできずにいると、OL風の女性2人がお店に入ってきて、私のはす向かいの席に座りました。

そして、2人のテーブルにもスープ容器に入った天ぷらが運ばれてきました。

その2人のテーブルの様子をチラチラとチェックしながら、

よ~し、あっちの方に先に天ぷら鍋がいったら、かんべんしないかんね~!
初めて店に入った田舎もんだと思ってナメてんじゃないぞ~!

と内心で腹立っているところに・・・その女性2人がスープ容器をかき混ぜ始めたんです。

なんだ、そうだったのかー!
この店ではそれが天ぷら鍋を持ってきてくれという合図だったのか~!

と私も同じように急いでスープ容器をかき混ぜ始めました。

そして・・・その2人がいきなり天ぷらを鉄板の上に流し込んだんです。

その後の記憶も、そしてどんな味だったのかも覚えていません。

ソースもマヨネーズも、なにもかけずに食べたはずです・・・たぶん。

覚えているのは、お店のおばさんが私のテーブルに寄ってきて

そろそろ裏返した方がいいんじゃないですか

と言いながら、鉄板の上のものを裏返してくれたこと・・・

そして、またそのおばさんがきて

そろそろ召し上がった方がいいんじゃないですか

と言ってくれたことは記憶に残っています。

私はなにをやっていいか分からずパニック状態で、とにかくテレビを見ることしかできなくて・・・でもテレビでは時代劇がとっくに終わっていました。

この一件以来、私は入ったことがないお店にはとても消極的になり、買い物をするときもだいたいいつも同じ店ばかりを利用するようになりました。